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宮崎県祝子川下水流谷溯行。

今回の溯行報告は宮崎県五ヶ瀬川水系祝子川下水流谷です。予報では梅雨明けとの事だったので暑くなると思われたが南九州の梅雨明けが遅れスッキリしない天気・・・
オマケにここ数週間降り続いた雨で沢は増水しており初・中級の割には困難が連続する溯行となった。
夜走って祝子川入りし前夜泊。到着した時には満天の星空が迎えてくれたが夜中に雨が降り出す・・・
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朝起きると雨は止んでいたが山には雲が掛かっており山頂を見ることは出来ない。
時折晴れ間は覗くが長続きはせず気が重くなる。
入渓ポイントは上祝子バス停から直ぐなので歩いて移動し7時50分頃に小さな橋より入渓する。
今回のメンバーは隊長とアッキー、ぼっちの三名。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_17403620.jpg入渓してしばらくはゴーロが続き傾斜も無く水になれる様に快適な河原歩きをする。
花崗岩の岩床が多く侵食による複雑な流れがとても綺麗。
水量が多い為小滝なのかただの段差なのかよく解らない滝を幾つか越えると段々祝子川の源流っぽくなってくる。
小さな滝でも釜があって予想していたより深く水に浸かる事が多い。
よく磨かれた滑る滝は序盤から連続し面白い。
この位の小滝は水量があった方が楽しいが・・・
溯行図を見ながら沢を詰めて行くが滝なのかゴーロなのかよく解らず現在地点を特定するのが難しい。
水量が多いと滝じゃない所も滝になる。
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よく滑る小滝は面白い!突っ張りと膝を使い滑らないように慎重に登る。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_1812389.jpg天気の良い内は水がキラキラ光って頭上に覆い被さる木々の緑も美しい。
しばらくは滝を越えると穏やかな流れでゴーロが出てくるとまた小滝とあまり変化はないが気持ちの良い溯行となる。
溯行図によると民家の取水口や6m滝、岩間の3m滝、樋状3m滝等があるが全然解らない。
気がつくといつの間にか滝を幾つも越えている。
どれがどれなんだ?ここは何処なんだ?って感じで支谷に入らない様に注意しながら溯行を続ける。
あまり変化の無い溯行ではあるが増水のお陰で普段は何でもない所も楽しいイベントになっていた。
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これは多分ただの段差だが水が溢れて小滝みたいになっている。簡単なマントルでこれを越えるが沢装備だと思うように体が動かず難しい・・・
濡れて水を含んだ装備とバックパックが体力を徐々に消耗させる。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_182289.jpgしばらくゴーロを歩くと段々岩が大きくなる。
巨石の間から溢れる流れを跨ぎ磨かれてフリクションの無くなった岩を幾つも越える。
流れの中には見えないスタンスが隠れているので見落とさない様に踏んで行く。
ゴーロ帯を進んで行くと谷は右へ左へ蛇行し少しゴルジュっぽくなってくる。
今まで明るかった谷は少々薄暗くなりしばらく歩くとまた明るくなるを繰り返し谷は変化を見せ始めた。
ゴーロ歩きに飽き飽きしてきた頃急に辺りが暗くなりゴルジュが始まる。

そのまま詰めて行くと岩の詰まった4m程の滝が現れ轟音を轟かせている。
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釜を持つ4m程の滝はロープを出して泳いで取り付き鐙をセットする。
プロテクションを3つ程取って左側を登る。ホールドは有るが水圧がけっこう掛かるので慎重に越えて立ち木で支点を取る。
これを越えると2m程の滝がありこれを越えると一旦ゴルジュは終わる。
この辺で一旦休憩を取り行動食を腹に少し入れ水分も補給。祝子川だと沢の水が飲めるのであまり持っていかないで済む。
水は市販の物よりも美味しいし甘味があり柔らかい飲み口だった。
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ゴーロを再び歩き幾つか滝を越えると目の前の側壁に圧倒されその直下には露岩の滝3m、多段の滝等が現れ興奮してくる。
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岩間を縫う様に流れる滝で足を滑らさないように慎重に登るとまた滝が現れる。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_19274657.jpg釜の浅い淵を伝い右側に取り付く。
足場は緩やかな傾斜だが程よく滑る。
墓石の様に磨かれた花崗岩は一気に体重を乗せないと滑ってしまうので思い切りも大事。
傾斜の割りに流れが急なので流れの無い岩の下を匍匐前進で抜けようとするが左足をどうしても流れの中に入れないと行けないので怖い。
思い切って高めに上げても水圧で戻され流されそうになる。
多分水量少ない時はスタスタ歩いて行ける所だと思うけど・・・
増水すると何でも無い所がイベント会場になるので注意が必要!アッキーは一旦戻りぼっちが先に行く。
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匍匐前進を下から見るとこんな感じ!けっこうな水圧だがしっかり足を付くと逆に水圧で靴が岩床に張り付く。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_204432.jpgスベスベ滝の直ぐ後には6m滝が現れロープを出す。
胸位の釜を渡り滑る岩床に取り付く。
ここもまた水量があるのでライン取りはしっかりと!
と思っていたら隊長は水量の多い右側を選択・・・
え~!左でしょう!って思ったけどやる気満々の隊長は果敢に直登を試みる。
滝の落ち口は滑らかで釜もある程度深さがあるので恐怖感は無いが流れが速いから一気に滑って落ちそう・・・

ビレイポイントもスベスベなんで落ちられると流れの中に吸い込まれる。
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直登しようと頑張る隊長だったがあまりの水量に諦めプロテクションを回収し左側に変更する。
左もそんなに簡単じゃなくよく滑るし岩は脆い。滝上部~滝頭に掛けてもスベスベで油断できない。

宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_20344282.jpg6m滝を何とか越えてもイベントは続く。
溯行図には乗っていない様な所も滝と化し難しくは無いものの楽しませてくれる。
屈曲した緩い傾斜の滝をペタペタ歩いて登り一息ついたかと思うと生暖かい風と共に轟音が聞こえてくる。
目前には高い岩壁が立ちはだかり右側に10m滝が姿を見せるとしばし立ち尽くす。
滝の落ち口は極端に深い枡状の釜になっており遥か頭上から轟音と共に落ちている。
釜の深さは5m程ある様で潜ってみたが底まで辿り着けなかった・・・
滝の直登は諦め反対側の岩が詰まった隙間をロープを出して登ることにする。
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深い釜を泳ぎ隙間に取り付くと足元は悪いし岩は滑るしけっこう難しい。
中間部からはバック&ニーで少しずつ体を上げて落石に注意しながら慎重に登り滝頭に出る。
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途中幾つか滝を越え河原を歩くとまた轟音で10m程の滝でこれも水量豊富な為右側の樹林帯に入り高巻く。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_21184695.jpg滝頭に立つと傾斜の殆んど無いナメが続く。
緊張する滝登りと疲れる巻きが続いたのでホッとする一時。
ナメは歩き易いので大歓迎!
雨が降り出すが谷は明るく気持ち良い。
軽快に歩を進めるがもうどの滝がどれなのか解らなくなって溯行図は気にせず目の前の滝を次々に越えていく。
数分ごとに滝が出てくるがガイドブックにはそんな滝は無く有るはずの滝も無く現在地も判らずただひたすら歩き溯行を続ける。

ナメを抜けお昼御飯を食べ再びゴーロを歩くと滝の音が聞こえて来て辺りが暗くなる。
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濁流の滝は左側に回りこみやり過ごす。これを越えて直ぐにまた轟音が響き少し開けたかと思うと滝が現れる。
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現れた30m程の滝はガイドブックにもある様にホールドがあり直登出来そうなだけに巻くには惜しいが水量豊富なのでこれも巻く。

宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_2148840.jpgしっかりした巻き道を辿り滝頭に出るとそこからは少し傾斜のあるナメ滝となる。
これが延々と続き快調に登って行く。
この辺から岩質が少し変ってきて今まで白っぽかった岩肌が黒っぽくなる。
そのせいか天気が崩れて来たせいかは判らないが薄暗く感じる。
少しガスも出てきて雨粒も大きくなりほぼ土砂降りになってきた・・・
しばらくナメを溯ると傾斜が出てきてナメなのかどうなのかわからない位の滝へと変化していく。

水量が無ければたいした事無さそうな滝だが容赦無く流れてくるのでホールドを探すのに必死になる。
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流れの無い所も登れるがわざわざ流れの中を左から攻めて真ん中に抜ける!
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延々続いたナメが終り谷が広くなった頃段状に連続する滝を幾つも越えると二俣に分かれる支谷と二条の滝が現れるがこれは溯行図には無かったので水量の多い右へと進む。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_2242732.jpg二条の滝の中間部は段状になっておりホールドはガバだったがここで落ちると遥か下まで落ちてしまうのでぼっちが登り上からロープを投げる。
段上に立つともの凄く狭く足元は樋状の流れがあり不安定。
立ち木でフィックスを張りタイブロックで行く!
段差は6~70cm程ありガバを持って思い切って足上げする。
滑りやすいのでとても気持ち悪い。
樋状の先の小さな滝を登り幾つか滝を登るとまた傾斜が緩む。
緩い傾斜の滝を幾つも越えてナメを過ぎると10m程の滝に出くわす。
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その滝は流れが二手に分かれており水量の少ない右側を選んで登り始める。
出だしから悪く少し登ると古いハーケンがあったのでここにQDをセットしようと思って触ったらアッサリ抜けた・・・
仕方なくナチュプロを取りセット。途中から猛烈に難しくなりプロテクションの効きも悪くどうしようか悩んだが3~40分程粘って気力で抜ける!
後から登ってきた隊長が一言「ナチュプロ一個しか効いてなかったよ・・・」う~ん・・・そ~やろ~ねぇ・・・怖!
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_22235520.jpg命からがら抜けた滝の後はゴーロが続き谷は細くなり水量も減ってきた。
溯行図だとまだまだ続きそうだったが読み間違えたのかまだ上流にあったのか解らないが何も無さそうなのでここで溯行を終了とする。
下山で使うそま道を探すが一向に見つからず変な薮こぎを強いられ途方に暮れる・・・
歩き続ける事1時間程で怪しいそま道を発見し兎に角下る。
雨は降ってるし暗くなってくるし不安だったがその怪しいそま道だけが頼りなので下山を続けると道が無くなり気力が失せる。
偶然にも沢の横に出たので後はひたすら沢を下ると直ぐに道路が見えてきてホッとした。
よく見ると降りてきたのは武平谷の支谷で本流と合流し翌日行く沢の入渓地点に出て来た。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_2235482.jpg
薄暗くなって何とか無事に帰還出来ました。一番不安だったのが風呂に間に合うかどうかってのが我々へっぽこらしい所でこの後急いで温泉に向って歩いて帰りました。
宮崎県祝子川下水流谷溯行。_d0180595_2237855.jpg風呂でサッパリして閉館までだべってそれから晩飯。
この日のメニューはチキントマト煮込みホタテパスタで食べ始めたのは10時を回っていた様な・・・
飯を作る時も雨が降ったり止んだりで車に入ったり出たりして楽しく美味しく食べました。
翌日も天気悪いみたいでかなり気が重くなったけど早起きするので11時には就寝。
当然速攻で爆睡でした。
何時になったら良い天気の日の溯行が出来るのか?

投稿者 ぼっち。



by heppokosawadoujin | 2010-07-18 07:30 | 沢登り

へっぽこなりに水との戯れを楽しむ基本直登の沢登記録です。
by heppokosawadoujin
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